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【映画】ワルキューレ

3/28 川崎チネチッタ

映画館の無料券の使用期限が迫っていたため、というどちらかというと消極的な理由によって観にいった作品。この春休みの時期は子供向け映画に席巻されていて選択肢が異様に狭いのである。一方最近、某シリーズの影響で最近見るのは邦画ばかりだし、シリーズ無関係でも「20世紀少年」や「ヤッターマン」などの思考を必要としない作品ばかりであったため、たまにはこういうのも見なければ、とも思っていた。

内容は、ヒトラー暗殺計画、といえば思い出すのが「鷲は舞い降りた」。なんて当然のように言っていますが、この本やなぜかこの本にて紹介されていたことがきっかけで読んだのはごく最近のこと。その「鷲は舞い降りた」では、どんなに綿密な計画を立てたとしても、どこかで瑣末な狂いが生じて、その狂いが連鎖して最終的に破綻してしまうという、スリリングな流れが魅力となっています。

それに比べるとこの映画の主人公の計画はあまりにも安易。実行面でこの程度の狂いは当然あり得ることですし、少しでも狂った際には即座に計画を中止する、そういった慎重さがほしかったと思います。もっとも、それでは映画になりませんし、そもそも実話がモチーフになっているので、あまりここだけ取り出すことが意味のある議論ではないですが。

ただ、後半の緊迫した展開は引き込ませるものがありました。指揮官の決断の遅れ、部下のフライング、錯綜する情報と、それぞれの保身が入り乱れる。そしてひとつのきっかけでだんだん流れが変わって行く。まさに「ミッション・インポッシブル」の頓挫。決してカッコいいだけではないトム・クルーズを見ることができます。


で、ここからは個人的な話。映画の良し悪しは置いておいて、まず人物が追えないのである。もともと実生活でも顔と名前を一致させるのが極端に苦手な自分であるが、ましてそれが当時のドイツの国家組織と階級の上下が分からないとなかなか入り込めません。最後のほうになってようやく分かったのでは手遅れでした。この映画では登場人物に大河ドラマよろしく日本語でテロップを出すサービスをしていますが、裏を返せばそれだけ人間関係の把握が難しい、という配慮でしょう。それがあってすら、ですから、個人的にそういうのを把握する能力が落ちているようです。洋画鑑賞力?というものでしょうか。

そして、後からいろいろなウェブサイトで確認すると、人物を追うのが精一杯で、いろいろな伏線を見落としていることが分かりました。上記で書いた計画の杜撰さについても、そういった伏線をしっかりキャッチしてればそれほどの疑問は感じなかったのかもしれません。

というわけで、自信のない方は予習をしていくか、2度見たほうがいいかもしれません。
(まさかム・クルーズの映画でこういった締めの言葉になるとは思いませんでした)

(もう1つ追記)
私は日本人であり、普段外国人と接することも、話すこともそうあるわけではなく、アメリカ人とドイツ人の区別(この定義が意味あるものかどうかはとりあえず置いておいて)がつくわけではありませんが、それでもヒトラーが英語を話していたり、ドイツ軍人たちが散々英語で会話した後に「ハイル・ヒットラー」と宣言するのは妙な違和感がありました。私ですらそうなのだから、英語圏、独語圏の方はどう思うのでしょうね。

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上場企業 経営リスク2段階で表示(3/21) その4

今週ずっとこのネタでひっぱっていますが、早くも公開草案が出てしまったようです。

「監査基準の改訂について」(公開草案)の公表について


同部会においては、現行の、一定の事象や状況が存在すれば直ちに継続企業の前提に関する注記及び追記情報の記載を要する現行の規定を、国際的な基準との整合性を図る観点等から改めることとされました。具体的には、これらの事象や状況に対する経営者等の対応策等を勘案してもなお、継続企業の前提に関する重要な不確実性がある場合に、経営者による適切な注記がなされているかどうかを監査人が確認することとする案がとりまとめられ、「監査基準の改訂について」(公開草案)として公表し、広く一般に意見募集を行うことが了承されました。

やはり、要は2段階表示、というよりも継続企業の前提に関する開示の範囲を狭めようとするのが主眼だったようで。本文にも下記のような記述があります。

なお、従来、「継続企業の前提に関する注記」がなされてきたケースの一部について、経営者の対応策等から継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められないため、「注記」に至らないケースが生じることもある。上場会社等において、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められず当該注記を行わないケースにおいても、例えば、有価証券報告書の 「事業等のリスク」等において、一定の事象や経営者の対応策等を開示し 利害関係者に情報提供が行われることが適切である。

監査基準に、監査項目ではないところに開示しろ、というのは空しくないですか?
2段階といっても、今まで継続企業の前提の注記の対象となっていた案件の一部が、リスク情報のほうに移動する、ということは、新たな開示情報が出るわけではないようです。

となると、そもそもきっかけの記事であります以下の文章

金融庁は上場企業の経営を揺るがすリスクについて、投資家向けの情報開示を強化する方針を固めた。現在は一年以内に企業の存続を揺るがし かねない重大なリスクの公開を義務付けている。今後はこれより前に、リスクの度合いが不明確な段階でも開示を義務付ける二段階制にする。投資家に「銀行が 融資を引き上げる懸念がある」といった予測情報などをきめ細かく開示し、株式市場の透明性を高める狙いだ。

これって今のままだと、激しくミスリーディング、というより誤報に近いと思うんですが、何かセットで新たな開示が要求されるんですかね。

ちなみに、審議会の資料に、わが国と欧米の比較、ということで下記の表がUPされています。

01_3

なるほどとも思うのですが、ほんとにそうかな、と思う面もあります。
気が向いたらまた取り上げます。

それにしても、

御意見がありましたら、平成21年4月3日(金)17:00(必着)までに、

早やっ!意見など言うなといわんばかりのタイミングですね。
ここまで急がせる力はいったいどこから・・・・

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上場企業 経営リスク2段階で表示(3/21) その3

先の記事についてもう少し調べようと思ったら、下記のエントリを見つけました。

経営リスクの2段階(開示会計・監査の国際化 IFRS・J-SOXがもたらすものとは?)

IFRSのどこにこの2段階開示のことが触れらているのかと思ったのですが、どうも、IAS第1号の第125項~第133項あたりに記載があるようですので、また、このブログでも触れることになろうかと思います。

とのことなので、読んでみました。
IAS1号は2007年に改訂しているんですね。
(前回のエントリでは古いパラグラフナンバーを付してしまいましたので、修正しました。)

125 An entity shall disclose information about the assumptions it makes about the future, and other major sources of estimation uncertainty at the end of the reporting period, that have a significant risk of resulting in a material adjustment to the carrying amounts of assets and liabilities within the next financial year. In respect of those assets and liabilities, the notes shall include details of:
(a) their nature, and
(b) their carrying amount as at the end of the reporting period.

(会社は決算期末においての、将来の仮定および見積もりの不確実性につき、来期のうちに資産や負債の貸借対照表価額の多額の修正が起きる重大なリスクがある場合はそれを開示しなければならない。それらの資産負債につき、下記の事項の詳細についても開示しなければならない(a) その内容 (b) 期末の貸借対照表価額)

いい加減な訳はご容赦ください。この条文と、先にあげたpara.23と合わせて二段階というわけですか。

この125項での開示がどういうものかというと

126 Determining the carrying amounts of some assets and liabilities requires estimation of the effects of uncertain future events on those assets and liabilities at the end of the reporting period. For example, in the absence of recently observed market prices, future-oriented estimates are necessary to measure the recoverable amount of classes of property, plant and equipment, the effect of technological obsolescence on inventories, provisions subject to the future outcome of litigation in progress, and long-term employee benefit liabilities such as pension obligations. These estimates involve assumptions about such items as the risk adjustment to cash flows or discount rates, future changes in salaries and future changes in prices affecting other costs.

127 The assumptions and other sources of estimation uncertainty disclosed in accordance with paragraph 125 relate to the estimates that require management’s most difficult, subjective or complex judgements. As the number of variables and assumptions affecting the possible future resolution of the uncertainties increases, those judgements become more subjective and complex, and the potential for a consequential material adjustment to the carrying amounts of assets and liabilities normally increases accordingly.

要は直近の市場価格がなかったり、回収可能性の計算に将来予想が必要だったり、技術的影響が不明だったりで、貸借対照表価額の見積もりが難しくて外れる可能性が結構あるときはその根拠なんかをきちんとディスクローズしなさいってことですよね。

「銀行が融資を引き上げる懸念がある」「短期借入金の借り換えができないかもしれない、という記事が言うようなリスクとはまた性質の違うリスクのような気がするのですが。まあ、もう少し議論の様子をウォッチしてみましょうか。


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【映画】男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け(第17作)

3/22 川崎チネチッタ

「人生に後悔はつきもの」・・・

私生活でこんな経歴を持つ岡田嘉子さんに言われると、絶対反論できない説得力を持つこの言葉。「ああすればよかった」という後悔と、「何であんなことをしてしまったんだろう」という後悔(正確な引用ではありません)。この映画はこの言葉に支配されているような気がします。

そしてその後悔に向き合っている相手は宇野重吉さん。書の大家なのに無銭飲食で捕まりそうになるところを寅さんに救出されるような生活。名声を得ているが決して家庭には恵まれていない姿が垣間見える。昔の縁ある人と再会し、「人生に責任がある」と謝ってしまうが、それがしっかり断ち切られ、元の鞘に収まって行く。この二人の対峙がこの映画でのメインのような気がします。

私は宇野重吉さんの本当に晩年の姿しか知らないので、最初出てきたときは寺尾聰さんかと思いましたが、その寺尾聰さん、龍野役場の係長さん役で親子共演。「ルビーの指環」発売の4年前のことです。その上司である課長さんは桜井センリさん。上記の岡田さんと宇野さんのシーンの裏、引立て役として強烈なキャラを打ち出します。犬塚弘さんとともにクレージーキャッツでの寅さん常連。

さて、肝心のマドンナ、太地喜和子さん。渥美清さんとは犬猿の仲だったというのをどこかで見たような気がしますが(ソース不明)、もちろんそんなことは演技上微塵も見えません。リリーさんのときもそうなのですが、マドンナが水商売キャラの場合、会話がテンポよく進んでいきます。「所帯持とう」と心から冗談で言える仲はうらやましい限り。

そんなマドンナ、ぼたんが詐欺に引っかかり、寅さんが男気を出します。その男気は例のごとくから回りするのですが、若いときから頼るものなく生きてきたぼたんは、男気に触れ思わず泣き出してしまいます。

しかし、これは恋の内に入るんですかね。兄の幸せのことになると盲目になるさくらは例によっておせっかいを焼いてしまうのですが、この2人はどちらかというと友情で結ばれていた面が強いのではないでしょうか。寅さんは今回は恋もせず、ふられもしなかったというのが私の結論です。かなり前の第4作を観たすぐ後であったため、観終わった後の気分は上等なのですが、反面今後あまりかっこ悪い恋をしなく寅さんにややさびしい思いもしてしまうのです。

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上場企業 経営リスク2段階で表示(3/21) その2

前記事の続きです。

最後まで読んでさらにびっくりしたのですが

国際会計基準はリスク開示に二段階制をとっており、関連ルールをこれに合わせる。

すみません、本当なら初耳です。というわけで原文に当たってみました。

IAS1 para.2325 <3/25修正>
When preparing financial statements, management shall make an assessment of an entity’s ability to continue as a going concern. Financial statements shall be prepared on a going concern basis unless management either intends to liquidate the entity or to cease trading, or has no realistic alternative but to do so. When management is aware, in making its assessment, of material uncertainties related to events or conditions that may cast significant doubt upon the entity’s ability to continue as a going concern, those uncertainties shall be disclosed. When financial statements are not prepared on a going concern basis, that fact shall be disclosed, together with the basis on which the financial statements are prepared and the reason why the entity is not regarded as a going concern.

こう書いてあるだけなのですが、これが「2段階」なのでしょうか。確かに2段階といえば2段階なのですが、ここに書いてあるのは

・ 継続企業の前提に重要な疑義があるとき
・ 継続企業であることを前提としていないとき

の2段階です。通常継続企業の前提の開示といった場合は前者をさし、後者は言わばすでに逝ってしまった企業の開示です。これを2段階というのであれば、すでにわが国の開示は前者レベルで行われていますので、現在のままで十分ということになりませんかね。
(IFRSがらみの扱いについて、これ以外に何かあるのか、ご存知の方は教えていただければ幸いです)

ここまで読んで、記事の後段にある微妙な文章の重要性に気付いたのですが、

反面、実際に重大なリスクが発生しても、事業継続に問題がなければ、すぐに「注記」の記載を求めず、リスクの内容を開示するだけにする。

またこの「注記」と「内容の開示」の差がよく分からないのですが、要は早期段階の企業と、末期段階の企業を分けよう、という趣旨なのでしょうか?そうであるならば、この記事(というより制度改正の)趣旨はむしろこちらということになりそうですね。
この推測が正しいのであれば、監査人は二つトリガーを持つことになってしまいそうで、扱い方にまた苦慮するのではないでしょうか。

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