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引当金各論-修繕引当金/特別修繕引当金


注解18での順番で次に来るのが「工事補償引当金」ですが、論点は製品保証引当金とほぼ変わらないものと思いますので割愛します。またそのつぎは退職給与引当金(論点整理では「退職給付引当金」)ですが、こちらについては別方面で検討がされていて、引当金分野の論点ではなくなっていますので、これについても割愛させていただきます。

そして次に来るのが「修繕引当金」および「特別修繕引当金」になります。これらについては日本基準とIFRSでは明確な差異がありそうです。

修繕引当金についても明確な定義はどこにもありませんが、定期的な修繕に備えて、次の修繕にて発生する費用を見積り、期間配分するための引当金、というのが通常の理解かと思います。また、船舶や溶鉱炉の場合費用が大規模になるため、引当金の繰入が税法上も認められていました。これが「特別修繕引当金」です。現在ではその制度が廃止されていますので「修繕引当金」と「特別修繕引当金」を区別する理由は特にありません。

さて、日本基準とIFRSでの引当金の定義 の大きな差異として「現在の義務」であるかどうかの判断があります。IFRSでは現在の義務であることを引当金計上の第一要件として要求します。この修繕引当金についてはIFRSでは「現在の義務」ではないと解されています。この義務については回避不能ではなく、修繕が要求される期間までに対象の資産を売却したり、廃棄したりすればその義務を回避することができるからと言われています。したがってIFRSでは修繕引当金の計上は認められないことになります。


では、IFRSではどのように処理するかというと、IAS37号の設例に記載されています。固定資産の追加取得とみなし、発生した修繕費用を資産計上し、次回の修繕までに減価償却する、という手法が取られます。つまり支出した時の資本的支出であるという処理が取られることになります。日本基準では支出までに費用化されてしまいますが、IFRSでは支出後に費用化されるということであり、費用化の時期において基準差異が発生することになります。

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