« 決算短信で定性的情報を開示していない会社 | Main | IFRSにおける減価償却費(定率法の扱い) »

ASBJの基準諮問会議

基準諮問会議とは、ASBJの上部組織であるFASF(財務会計基準機構)の一組織でASBJの審議運営の検討を行っているところです。
(参考)https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/fasf/apercu/

ここが11月11日に審議を行ったとのこと。ちなみに過去のアーカイブを見ると、年2回だったり、3回だったり、4回だったりでどのようなタイミングで行っているかはよくわかりません。

議題は以下のとおり

1.企業会計基準委員会の最近の活動状況について
2.国際対応の活動について
3.平成22年度アンケート調査の結果報告について
4.単体財務諸表に関する検討会議の設置について

1および2についてはいままで行なってきたことの報告なので、3について取り上げてみたいと思います。当該アンケート結果は下記で見ることができますが、有料会員限定となっております。

https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/standards_advisory/minutes/20101111/20101111_13_lmtd.pdf

アンケートについてはやり方については以下のとおりで、ASBJに何らかの形で名前を連ねている方で、常勤ではない方を対象としていたようです。

・送信日:平成22 年8 月6 日(〆切9 月10 日をめど)
・送信先:企業会計基準委員会・基準諮問会議・専門委員会の各構成員
※常勤及び研究員を除く
・送信者数:77 名
・回答者数:48 名
・回答率:62.34%

関係者に向けられたアンケートにしては回答率が壊滅的に悪すぎるような気がするんですがまあそういう事はおいておいて・・・

アンケートは下記の質問からなります。

Q1 「中期運営方針」(7 ページ「Ⅲ.」「1.」が該当)の国内会計基準関連について、ご意見・ご提言等があれば、ご記入ください。
Q2-1 「中期運営方針」(7 ページ~9 ページ「Ⅲ.」「2.」①~⑦が該当)のIFRS 関連の下記項目について、重要性をどのように考えるか、ご記入ください。
Q2-2 上記項目以外で、ASBJ がIFRS の強制適用を見据えた将来、取り組むべきであると思われる項目があれば、その項目について内容及び理由をご記入ください。
Q3 ASBJ に関する活動について、その他、ご意見・ご提言等があれば、ご記入ください。

要は今までは「基準諮問会議」との名が示すとおり、今後ASBJにどのような基準を開発してほしいか、という要望を吸い上げる場所であったのですが、IFRSのアドプションが視野に入ってきた現在、そもそもASBJってどうよ、と言った疑問に対してどういう方向性を示していこうか、という議論に比重が移ってきているように見えます。

で、回答内容について詳細を紹介したいのですが、一応有料サイト情報ですので詳細に紹介することは憚られます。要約しようとしても、意見が総花的であるため結局かなりの部分引用してしまう事になりますので、目に止まった意見を紹介するにとどめたいと思います。紹介するのが多数意見のみではないことをご承知おきください

・回答者のうち大多数が、今後ASBJ がわが国における国内会計基準の設定機関として中心的な役割を果たしていくことに対して肯定的に言及している。ASBJ の役割として具体的に期待されているものとして言及されたものは、個別財務諸表および非上場企業の連結財務諸表の作成にあたって適用される基準の開発である。

IFRSアドプションしてしまえば、ASBJの仕事はこれになるでしょうね。連単分離を前提とすれば、ですが

まず、IFRS の強制適用後におけるわが国の会計制度の将来図を示すべきであるという意見が多数みられた。この中には、強制適用後は、コンバージェンスを緩和し、わが国の環境にあった会計基準を開発すべきであるとする意見もある一方、今後もコンバージェンスを推進すべきである、IFRS と似て非なる国内基準は排除すべきであるなどの意見もあった。また、日本基準をIFRS の適用指針として開発すべきであるとする意見もあった。

「強制適用後はコンバージェンスを緩和」というは一見意味不明ですが、おそらく上記の非上場会社や個別財務諸表に適用される会計基準、という意味かと思います。IFRSを強制する必要はないにしても「コンバージェンス」からあえて遠ざかる必要がどこにあるのかが疑問であります。なおローカルな適用指針を開発することは禁じられていたはずです。


その他の提言についても

.・作成者側の実務負担の軽減を望む

シンプルな意見でよろしい(笑)

・具体的には、会計基準の開発過程で実務適用に関する事前検討が不足しているとの指摘があった。一方で、ASBJ の常勤委員の考え方は、母体色が強すぎるとの指摘もあった。

下段は笑うしかないですが、どちらにせよ委員会で全ての実務精通した人間を揃えるのは無理であり、だからこそ意見収集の機会を設けているはずなのですが、それほど活発な意見が集まっているようには見えません。もっともASBJはややコメント期限が短いような実感がありますが。

・特に会員への情報提供が不足しており、会員となることのメリットが感じられないとの指摘があった。

会員になるメリットの面では思うところはあります。適時開示情報で「財務会計基準機構の加入に関する当社の考え方」というリリースが連日公開されている状況をどう思うかです。ただそれは情報提供不足だからもっと情報を開示すべきという議論をしても仕方がない。どんなに詳細な情報を提供しても、受け手が有益だと思わない限りそれは意味がありません。有益だと思わせる努力をするか、有益だと思わないところからも強制的に徴収するか、しかないと思います。個人的には後者が現実解かと思っております。

・IFRS 強制適用がIPO 市場に与える影響に配慮すべきである。

・・・具体的にどうしろと言っているのかがいまいちわかりません。

・基準諮問会議の諮問能力に疑問があり、役割の見直しを図るべきである。
・SAC アンケートのフィードバックが不足している。

たしかに存在自体がほとんど知られていないかと思いますので・・・

・原価計算基準は、IFRS や米国基準と異なっており、見直す必要がある。

これは寡聞にして知らないのですが、IFRSや米国の原価計算基準って日本のとそんなに違うんですか?というか原価計算基準自体あるんですか?誰か教えてくださーい。

|

« 決算短信で定性的情報を開示していない会社 | Main | IFRSにおける減価償却費(定率法の扱い) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/12395/50116168

Listed below are links to weblogs that reference ASBJの基準諮問会議:

« 決算短信で定性的情報を開示していない会社 | Main | IFRSにおける減価償却費(定率法の扱い) »