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包括利益計算書は2計算書方式もOK?

11月のIFRSのBoard Meetingの内容のサマリーが公開されています。

そのなかでその他包括利益についても俎上にあげられています。

以前、FASBとIASBが公開草案を出しています。


ここでは、包括利益の表示について、損益計算書と一体とした包括利益計算書、いわゆる1計算書方式のみを認めることとし、現行認められている損益計算書と区分する方式、いわゆる2計算書方式を廃止する方向性を示していました。

しかしながら、この案にはそれなりに反対が多かったようで、スタッフに差戻しされています。(このあたりは11/15の拙稿を参照ください)

今回の理事会では、以下のことが暫定的に決まっています。

to proceed with the project as originally planned, as opposed to delaying the project until the boards can develop a consistent basis for determining which elements should be presented in Other Comprehensive Income (OCI) and when reclassification to net income is appropriate;

to require entities to present net income and OCI either in a single continuous statement or in two separate, but consecutive, statements;

the standards would be effective as of the beginning of a fiscal reporting year that begins after December 15, 2011 for US GAAP and for fiscal reporting years that begin on or after 1 January 2012 for IFRS;

to affirm the tentative decision to require full-retrospective application for the final standard; and

to affirm the tentative decision of the FASB to require reclassification adjustments to be presented in both other comprehensive income and net income, and both boards to allow items of other comprehensive income to be presented either net of tax with details in the notes or gross of tax with each item's tax effect displayed parenthetically, and to retain the current calculation of earnings per share based on net income/(profit or loss).

・予定通りにプロジェクトを進めること。その他包括利益がどうあるべきかの議論の決着がつくまでプロジェクトを遅らせることはしない。

・企業には1計算書方式と2計算書方式の選択を認める。

・USGAAPでは2011年12/15以降開始する年度、IFRSでは2012年1/1以降に開始する年度から適用する。

・適用の際には完全遡及適用を要件とする。

・FASBにおいてはリサイクル(reclassification)を要求する。またIFRSを含めて税金については純額表示と総額表示の双方を認める。またEPS(一株当たり利益)の計算については従来の計算通りとする。


どうやら、その他包括利益の内容について、さらには一旦その他包括利益に計上した内容について何をリサイクするべきかという課題については、IFRSとFASBではまだ隔たりはあるものの、その解決は先送りをして、計算書の方式についての意思決定を先決した、ということのようです。

そしてその計算書の方式については、日本側がかねてから主張してきた、2計算書方式の選択が認められる方向になりそうです。日本国内では、「企業の業績として包括利益を重視するものだ」として1計算書方式を嫌悪する声がやたらと大きく、IASBに対してもさんざん要求をしてきたのですが、それを支持する声はなにも日本ばかりではない、ということが明らかになった、ということだと思います。

個人的には開示する量や手間は変わらないし、どちらが投資者の利益、って話でもないので1計算書方式への統一はさほど抵抗感がないのですがいかがなものなのでしょうか。

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