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IASB会議報告(第127回から第129回まで)(2)

排出枠取引スキーム(p15)
この分野にも明るくありませんが、まず前提となる「キャップ・アンド・トレード・スキーム」を理解する必要があります。


キャップ・アンド・トレード
キャップアンドトレードは、政府が温室効果ガスの総排出量(総排出枠)を定め、それを個々の主体に排出枠として配分し、個々の主体間の排出枠の一部の移転(または獲得)を認める制度のこと。

そして、企業の立場から言えば、排出権という権利を無償で受け取ったと同時に、排出を削減する義務を負うわけで、それをどのように会計処理をするか、という論点です。もっとも正確にどのような義務を負っているかはまだIASBとFASBでは整合していない模様です。

で、まず当初認識の際にどのように測定するかというと、公正価値にて資産負債を同額計上するというアプローチが支持されています。そして事後認識も同じように公正価値にて計上することに暫定決定されています。そしてその義務の測定には「予想返却アプローチ」、すなわち排出枠を達成できなかった際に返却しなければならない枠について加重平均にて見積もる方法が支持されています。

概念としては理解できるのですが、私個人は具体的にどういう計算をするのかが全くイメージが湧きません。もうすこし学習が必要ですね。

財務諸表の表示(p18)

2011年6月までに完成させることを目標に進めているMOUプロジェクトに両者の資源を集中すべきことが合意され、資源にゆとりができるまで、当面本プロジェクトを休止することが暫定的に合意された、とのこと。
これで、直接法のキャッシュフロー強制はしばらく棚上げになるということですな。実務的にはほっとしております。

その他、短いですが、質疑応答がなされています。重要なのを抜粋しますと

Q:包括利益の表示の議論がスタッフに差し戻されたということだが、その他包括利益の内容についても議論が行われるということか?

→A:それをやっていては何時まで経っても終わらない。あくまで表示の形式について検討するだけで、何をその他包括利益にするかは個別の基準による。

Q:議論には出ていなかったが、IAS37(引当金)について、当初は来年の初頭にも結論が出るということであったが、それがかなり遅れているという認識で良いか?

→A:公開草案に対する議論が蒸し返されており、来年の後半くらいに、再公開草案が出せればいい方。その時には測定の問題だけではなく、一度結論が出た認識の問題(蓋然性基準の廃止)についても再度問うということになるであろう。

後者についても、日本ではかなり公開草案に反対してきた経緯があり、ここで明らかな揺り戻しが出てきていることは朗報でしょう。日本の影響力のせいかどうかはともかく、今後も意見発信していくべきであることは確かなようです。

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