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【ネタバレなしご紹介】羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫)

「ビジネス法務の部屋」ご愛読のみなさまこんにちは(笑)
こんな場末のブログにいらっしゃっていただきましてありがとうございます
山口先生のおかげでアクセス数がものすごいことになっております。
今後も会計ネタ等を細々と流していく予定ですので、よろしくお願いします。

で、せっかくそのような皆さんにいらっしゃっていただけているのに、レベルを落とすようで甚だ恐縮ではございますが、twitterにおいてごく一部のクラスタで猛烈に盛り上がっている「羽月莉音の帝国」についてご紹介させていただきます。

羽月莉音の帝国 (ガガガ文庫) [文庫]

騙されたと思って読んでみてください。

表紙を見る限り、典型的なライトノベルです。

しかし、中身を開いてみると・・・

やっぱり典型的なライトノベルです。

でも前半でくじけてはいけません

後半会社を立ち上げ、事業計画をぶち上げるあたりから、どうも一般のライトノベルとはだんだん色を変えていきます。そして上場を目指すのですが、その目指し方が・・・

私はまだ第一巻終了のみですが、最新刊第五巻に向けてまだまだネタ満載とのことらしいのでこのまま読み進めていく予定です。お時間とお暇のある方は是非!

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包括利益計算書は2計算書方式もOK?

11月のIFRSのBoard Meetingの内容のサマリーが公開されています。

そのなかでその他包括利益についても俎上にあげられています。

以前、FASBとIASBが公開草案を出しています。


ここでは、包括利益の表示について、損益計算書と一体とした包括利益計算書、いわゆる1計算書方式のみを認めることとし、現行認められている損益計算書と区分する方式、いわゆる2計算書方式を廃止する方向性を示していました。

しかしながら、この案にはそれなりに反対が多かったようで、スタッフに差戻しされています。(このあたりは11/15の拙稿を参照ください)

今回の理事会では、以下のことが暫定的に決まっています。

to proceed with the project as originally planned, as opposed to delaying the project until the boards can develop a consistent basis for determining which elements should be presented in Other Comprehensive Income (OCI) and when reclassification to net income is appropriate;

to require entities to present net income and OCI either in a single continuous statement or in two separate, but consecutive, statements;

the standards would be effective as of the beginning of a fiscal reporting year that begins after December 15, 2011 for US GAAP and for fiscal reporting years that begin on or after 1 January 2012 for IFRS;

to affirm the tentative decision to require full-retrospective application for the final standard; and

to affirm the tentative decision of the FASB to require reclassification adjustments to be presented in both other comprehensive income and net income, and both boards to allow items of other comprehensive income to be presented either net of tax with details in the notes or gross of tax with each item's tax effect displayed parenthetically, and to retain the current calculation of earnings per share based on net income/(profit or loss).

・予定通りにプロジェクトを進めること。その他包括利益がどうあるべきかの議論の決着がつくまでプロジェクトを遅らせることはしない。

・企業には1計算書方式と2計算書方式の選択を認める。

・USGAAPでは2011年12/15以降開始する年度、IFRSでは2012年1/1以降に開始する年度から適用する。

・適用の際には完全遡及適用を要件とする。

・FASBにおいてはリサイクル(reclassification)を要求する。またIFRSを含めて税金については純額表示と総額表示の双方を認める。またEPS(一株当たり利益)の計算については従来の計算通りとする。


どうやら、その他包括利益の内容について、さらには一旦その他包括利益に計上した内容について何をリサイクするべきかという課題については、IFRSとFASBではまだ隔たりはあるものの、その解決は先送りをして、計算書の方式についての意思決定を先決した、ということのようです。

そしてその計算書の方式については、日本側がかねてから主張してきた、2計算書方式の選択が認められる方向になりそうです。日本国内では、「企業の業績として包括利益を重視するものだ」として1計算書方式を嫌悪する声がやたらと大きく、IASBに対してもさんざん要求をしてきたのですが、それを支持する声はなにも日本ばかりではない、ということが明らかになった、ということだと思います。

個人的には開示する量や手間は変わらないし、どちらが投資者の利益、って話でもないので1計算書方式への統一はさほど抵抗感がないのですがいかがなものなのでしょうか。

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IFRSにおける減価償却費(定率法の扱い)

IFRSのサイト上ではあまり目立ってなかったのですが、日本の一部で盛り上がっていたのが以下の記事です。


Depreciation and IFRS


現在の日本のIFRSのアドプションをめぐる議論において、日本基準との大きな差異としてクローズアップされている項目のひとつに減価償却費が挙げられることが多いです。税法の耐用年数が認められないとか、耐用年数は毎年見なおさなければないとか、「コンポーネントアプローチ」を適用しなければならないとか、いろいろなことが言われています。

そんな中での議論の一つに「IFRSでは定率法が認められない」という項目があります。この言い方自体が既に世間に流布しており、あたかもIFRSにはそのように書いてあるかのようですが、現実にはIFRSでは償却方法について、特定の方法に言及しているわけではありません。

以前金融庁が「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」において


IFRSは、減価償却は資産の償却可能価額を耐用年数にわたって規則的に配分するものであり、償却方法は、将来的な資産の経済的便益の消費パターンを反映したものを採用しなければならないとされている。定率法と定額法との間に優劣はない。

と一応宣言しております。

そんな日本の状態を知ってか知らずか出てきたのが上記のレポートです。

IAS 16 permits a variety of depreciation methods(p5)と題された項に記述されています。

Is there a preference in IAS 16 for the straight-line method over other methods? Again, I think not. The straight-line method may be the easiest to administer and for financial statement users to understand, in the absence of evidence to the contrary. Those factors make it the easiest method, but not necessarily the preferred method.(p6)

IAS16号では定額法が優先されているって?そんなことはない、分り易いってだけのことと言い放っています。

で、定率法についてはこんなことも(p6)

For example, many assets require more repairs and more frequent maintenance in the later years of their lives. Similarly, management may expect that the price of a product produced by an asset will decline over the asset’s life. Both suggest that a declining balance method may be a better approximation of the pattern of consumption.

資産によっては修繕やメンテナンスが今後必要になってくるものもある。同様に、年次を経るごとに生産品の価格が落ちて行くと考えられるものもある。そう考えると定率法というのも費消のパターンを示している場合もあるといえる、くらいのトーンでしょうか。

で、結局は(p7)

The selection of a depreciation method and the pattern of depreciation charges, is ,then, constrained by the requirements found in paragraphs 32 to 38 of IAS 8 Accounting Policies, Changes in Accounting Estimates and Errors. The extent to which an entity’s management documents its choice of depreciation methods is a matter of internal control over the financial reporting process. IFRSs do not specify the detail with which that documentation should be prepared. Instead, judgements about depreciation and documentation are a matter left to the judgement of the entity’s management and auditors.

結局は会計方針の問題なので、判断の問題であり、その根拠は明確にしておく必要がある、ということろに行き着きます。要はこの見解、新しいことは何も言っていません。会社が自ら定率法の根拠を示せるのであれば、継続的に定率法が適用できるし、もし説明できないのであれば定額法のほうが説明しやすい、これだけのことです。

要はもうちょっと自分の頭で考えましょうってことですな。


(追記)これ書いた後、日経に載っていることを知りました

固定資産の償却方法、定率・定額ともに容認 国際会計審が見解

容認も何も、もともと何も書いてないことを、何も書いてませんと改めて表明しただけの話です。何かが進展(後退)したわけではありません。

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