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ヤマハ発、希望退職800人募集へ(2/6日経)

ヤマハ発、希望退職800人募集へ(2/6日経)

ヤマハ発動機は5日、800人の希望退職を募集すると発表した。8月中に募集し、退職日は10月のいずれかの日に設定する。退職加算金など条件の詳細は今後労働組合と協議するとしている。
今回の希望退職に関する退職加算金などの費用は、2009年12月期決算の特別損失として110億400万円を計上ずみ。

このリストラ費用の計上によってヤマハ発動機の連結最終損益は2162億円の赤字になったとのことです(新聞記事より)。膿を2009年度12月期(この会社は12月決算)に出してしまおうということなのでしょう。

しかし、8月に募集し、10月に退職となるリストラ費用を前年の12月に計上というのは大きな判断が必要な会計処理と言えましょう。日本基準であると特段リストラ費用に限定した基準はありませんので、企業会計原則の引当金の原則(注解18)に該当すれば引当金を計上することができます。将来の費用であり、発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、金額が合理的に見積もれればいいことになります。

しかしながら、IFRSでは計上の範囲は日本基準よりは限定されます。
IAS37号の引当金の規定にはリストラクチャリングの項もありますが、計上の基準については下記の通りとなっています。

IAS37
72 A constructive obligation to restructure arises only when an entity:
(a) has a detailed formal plan for the restructuring identifying at least:
(略)
(b) has raised a valid expectation in those affected that it will carry out the
restructuring by starting to implement that plan or announcing its main
features to those affected by it.

と、(b)でリストラクチャリングの実行が確実に見込まれる場合、としており、

74.For a plan to be sufficient to give rise to a constructive obligation when
communicated to those affected by it, its implementation needs to be planned to
begin as soon as possible and to be completed in a timeframe that makes
significant changes to the plan unlikely. If it is expected that there will be a long
delay before the restructuring begins or that the restructuring will take an
unreasonably long time, it is unlikely that the plan will raise a valid expectation
on the part of others that the entity is at present committed to restructuring,
because the timeframe allows opportunities for the entity to change its plans.

計画が変わらないように、さっさと実行することが必要だということです。

8月に募集をする早期退職の費用を引き当てることがこの条文上どう解釈されるかですが、確実性を証明するのは大変のような気がします。

ちなみにこれが米国基準になりますと、一般的には退職する人員が個人単位で確定していないと引当金を計上できないと言われています。このケースの場合はまず無理でしょうね。

このように日本の会計基準で認められる引当金が、IFRSでは過度に保守的と見られ計上できないケースは結構あるのではないかと考えており、今後のウォッチ対象かと思っております。

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The IFRIC met in London on 7 and 8 January(2)

昨日の続きです。

継続審議となっているAgendaは昨日のネタとした2点だけで、あとはいくつか議題はあるものの、IFRICにおいては取り上げない、という結論になっているものばかりです。

例えば
IAS 38 Intangible Assets - Amortisation methodの論点については、

Given the diversity of views, the IFRIC concluded that it would not be able to reach a consensus on the issue on a timely basis. Consequently, the IFRIC decided not to add the issue to its agenda.

時間かかるからやんないよ、と身も蓋もない却下の仕方をしています。

そして、典型的なものとして、
IFRS 4 Insurance Contracts and IAS 32 Financial Instruments: Presentation - Scope issue for REITsの論点についての結論。

The IFRIC noted that providing guidance on this issue would be in the nature of application guidance, rather than interpretative guidance. Consequently, the IFRIC decided not to add the issue to its agenda.

指針を出すとすればあくまで「適用指針」であって「解釈指針」ではない。したがって本項目はIFRICの議題としない、というわけです。IFRICはあくまで「解釈委員会」だもんね、という自己主張。

解釈レベルの問題と適用レベルの問題、この区別を日本で意識することは殆どないような気がします。IFRICでいう「適用レベルの問題」までを会計基準に記載することがいわゆる「細則主義」なのだとすれば、IFRSの「原則主義」を会得するには、このIFRICでの議事録を読み却下理由を探ることでヒントが得られるかもしれない、などと朧気ながら考えているところです。

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The IFRIC met in London on 7 and 8 January

もう旧聞なのですが1月7日及び8日にIFRIC(国際財務報告解釈委員会:InternationalFinancial Reporting Committee)の会合がありました。

現在継続審議となっているのが以下の2Agendaのようです。

・Accounting for production stripping costs

・Vesting and non-vesting conditions


Strippingがよくわからないのでググッてみますと
http://www.google.com/search?rlz=1C1CHNG_jaJP338JP339&sourceid=chrome&ie=UTF-8&q=Stripping

と、想像した通りの結果となりました。もちろんそのような費用のことではないようです。この解釈指針はIAS16の解釈指針のようでAccounting for Strippng Costs in the Production Phase of a Mineとのプロジェクト名です。Mineですので鉱物資源関係の費用のようですがなかなか特殊業界過ぎて理解するのに一苦労です。調べた限りでは「掘り始めてから実際の鉱物生産に入るまでの不純物を除去する作業」のようですが、いまいちイメージがわかないのでもう少し調べてみます。

と、途中まで書いて調べました。ASBJ発行の「季刊 会計基準」2009/12号の「国際財務報告基準解釈委員会(IFRIC)の活動状況」でIFRIC委員の鶯地さんが書かれているのが分かりやすそうです。Stripping Costを「剥土費用」と訳しています。「露天掘りの金属鉱山等の表土を剥離するためのコスト」だそうです。

日本の鉱山では深く掘り進まないと鉱物資源に辿り着けない鉱山がほとんだそうですが、海外では、表土をちょっと剥ぎとるだけで鉱物資源にたどり着くため、露天掘りと呼ばれる掘り方をしているのだとか。

ただし、表土を剥ぎとればすぐに鉱物資源の生産段階に入れるというのであればよいのですが、実際には生産段階に入ってからでも、さらに深く掘削するために広く表土を剥いだり、あるいは近くの別のところに主要な鉱脈ある場合など、生産段階に入ってから剥土費用が発生することもあるようです。

鉱山の場合は開発段階の費用は資産計上し、生産段階に入った後の費用は原価処理するのが通常です。しかしながら剥土費用については生産段階の前にも後にも発生するため、その処理については各国いろいろな実務が並立しており、どうすればいいんだとIFRICに泣きが入ったというのが現在の状況のようです。

この件について、この1月で取り上げられているのはまず取り扱う範囲を明確にしようとのことです。IFRICには取り扱う範囲を不用意に広げるべきではなく、短期間で回答できるアイテムを検討することに限定すべきだ、という思想があるようで、色々な議論はあったもののの最終的には、以下の文言にて取り扱う範囲を限定することになりました。

Accounting for the costs of removal of waste material in a surface mining activity during the production phase.
.「生産に入った露天掘りにおける、不純物除去のための費用」

あくまで、照会のあった事項に関して検討する、それ以上は範囲を広げないぞ、といったタイトルとなったようです。

もうひとつのAGENDAである、Vesting and non-vesting conditionsとはIFRS 2 Share-based Paymentに関する解釈指針です。ストックオプション等、株式を計算基礎とした取引に関する会計基準ですね。

ストックオプションの付与に関し条件が付されている場合について、費用の見積りにどのように反映するかについて、IFRS2では当該条件を行くつかにカテゴライズし、見積方法を定めています。そのカテゴライズの定義についてもっとクリアにした方がいいということで、これは3月にもう一度話しあいましょう、ということになっています。

(続く)


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