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2010年のIFRSを振り返って(後)

IASB and US FASB publish proposals to improve the financial reporting of leases
17 August 2010

そしてリースの会計基準の草案も公表されました。
ファイナンスリース、オペレーティングリースの区分を撤廃し、使用権をオンバランス。
そして貸手リースには履行義務アプローチと認識中止アプローチの二本建で臨んだ基準。
これも1年後には完成基準になっているはずですが…

Staff draft of a forthcoming IFRS on fair value measurement
19 August 2010

そして公正価値については本決まりになりつつあります。
これは3月までに完成版公表予定。

IASB and US FASB complete first stage of conceptual framework
28 September 2010

そういえばフレームワークのファーストステージが終わったのを忘れておりました。
あまり読んでいません…。個人的には識者の方々が熱く語るほどはフレームワークの
議論が好きじゃないんですわ。

IASB finalises enhanced derecognition disclosure requirements for transfer transactions of financial assets
07 October 2010

金融商品の認識中止については、いろいろと概念を考えていたのですが、次第に面倒くさくなって時間も限られているんで、
開示ですますことにしました、って感じでしょうか。

Trustees appoint Hans Hoogervorst to succeed Sir David Tweedie
12 October 2010

昨年の最大のニュースでしょう。
2011年6月で任期が切れるTweedie議長の後任がHans Hoogervorst氏に決定したとのこと。
必ずしも会計の専門家ではない氏には政治的手腕が期待されており、副議長のIan Mackintosh氏が
会計の専門家であるとか

IASB issues additions to IFRS 9 for financial liability accounting
28 October 2010

いわゆる「負債のパラドックス」問題に一応の決着が着いた形です。
信用力の低下による負債の評価益についてはその他包括利益項目となりました。
もう困ったときのdust box状態。

Conclusions of the October 2010 Trustees' meeting
24 November 2010

このミーティングにおいて、IASBのアジアサテライトオフィスが東京に設置されることが
ほぼ確実になったようです。正式決定は2月の東京でのTrustees' meetingでとの噂。
議長不在時の藤沼副議長の晴れ舞台となるのでしょうか。

IASB publishes IFRS Practice Statement on Management Commentary
08 December 2010

非財務項目である、経営者の説明についてもIASBがフレームワークを
作成しました。拘束力がないと明言してあるので読んでおりません(いかんいかん)…。


IASB proposes improvements to hedge accounting
09 December 2010

ヘッジ会計の適用要件を緩めた公開草案が出ました。
これと併せ、金融商品の会計基準全体も今年の6月には
完成予定となっています。前にも書きましたが、FASBとの差異を
今後どうして行くのかが今後注目されるところです。

Statement on the death of Tommaso Padoa-Schioppa
19 December 2010

年末の悲しいニュースでした。先に書いたとおり6月に就任したばかりなのに…

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2010年のIFRSを振り返って(前)

自らの復習を兼ねて、2010年のIFRSの重要なプレスリリースを追ってみました。まあ何を重要と考えるかはポジションによって大きく異なりましし、また重要なのに誤って見落としてしまっているものもあるかもしれません。いろいろご指摘をいただければ幸いです。

IASB re-exposes proposals on measuring liabilities for asset decommissioning, legal disputes and similar items
05 January 2010

IAS37の引当金に関する基準の公開草案の更なる改訂案です。これ自体はマイナーチェンジなのですが、そもそも2005年に公表された草案がここまで引っ張られており、なおかつまだマジョリティの賛成を得られていない状態で、この公開草案については抜本的に見直される予定で、2011年の6月には間に合わない状況となっています。IASBの公式計画によると2011年の後半までに再公開草案が公表され、2012年完成を目指しているようです。


Trustees announce further governance enhancements
15 February 2010

Constitutionの変更ということで、IFRSの目的についてadoptionということが明確に位置づけられたものです。
もっともこれよりも従来IASC Foundationと呼ばれていた組織がIFRS Foundationと名を変える一方、IFRS Board と名を変える予定だったIASBはそのままになるなど、関係者の微妙な意識の揺れ動きを感じさせる改革でもありました。

IASB proposes improvements to defined benefit pensions accounting
29 April 2010

いわゆる退職給付にかかる会計基準の改訂案です。純年金債務のオンバランスを強制する一方で、損益として計上する項目とその他の包括損益として計上する項目を明確に分けることとしています
2011年の前半には最終基準という目標は崩していせん。

Monitoring Board approves appointment of Vice-Chairs of the Trustees
17 May 2010

Constitutionで新設された副議長のポストに日本の藤沼亜紀氏を含む2名が選出されました。
IFRS陣営に取り込むための人質との陰口も聞かれましたが、どういう事になるか。後述するように現時点では議長職は空席です。


Request for comment: FASB Financial Instruments Exposure Draft
27 May 2010

FASBが金融商品にかかる会計基準の草案を公表しました。IFRS9号とは異なる基準を世に問うことで
独自路線を明確化。今度IFRS側がどう対応していくのかが今年の焦点となるでしょう。


IASB proposes improvements to the presentation of items of Other Comprehensive Income
27 May 2010

包括利益計算書において、いわゆる1計算書方式に統一するという基準案が公表されました。しかしながら、
これも基準確定の最終議決には至っておりません。2計算書方式への指示が予想外に多かったということなのでしょう。
最終議決は2011年1Q(3月)までに行われる予定となっております。
ちなみに日本では2011年3月期に初の包括利益計算書を作成する会社が多いと思われます。日本では1計算書方式、2計算書方式双方認められています。日本では2計算書方式の支持が多い中、IFRS早期適用を謳っている企業群がどのような開示をするかが注目です。

IASB and FASB issue statement on their convergence work
02 June 2010

MOUの当初目標である2011年6月、Tweedie議長の任期である2011年6月での完成をついに諦め、
一部を2011年の後半に持ち越すことを決意したStatementであります。スケジュールはどんどん迷走していくことになります。

Tommaso Padoa-Schioppa to return as Chairman of the Trustees following the July Trustees' meeting
18 June 2010

一旦2006年の1月に就任したものの、国元の大臣になるために5月で辞任したPadoa-Schioppa氏(読めない)。
今回満を持しての就任と思いきや、運命というものは非情なものです。

IASB and FASB propose a new joint standard for revenue recognition
24 June 2010

包括的な収益認識基準案がついに完成しました。1年後には最終基準となる予定ですが、
果たしてどうなることやら


IASB proposes improvements to insurance accounting
30 July 2010

保険業の会計についても公開草案が出されました。これも1年後完成予定。
これは専門外なので多くは語れません…

(つづく)

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(遅ればせながら)あけましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。

昨年はまたぼちぼちブログを再開したのですが、12月初めの台湾旅行の影響でまた尻切れトンボみたいになってしまい、残念な展開になってしまいました。年末年始は家族で野外にでかけることが最大ミッションとなり、インプットもアウトプットもままならず。そして、仕事初め以降は正月など太古のことかのように仕事に溺れていますので、今年もブログについて思い出したり、忘れたり、というペースになると思います。思い出した頃にお付き合いいただければ幸いです。

そんな中、1月2日にGalaxy Tab を購入しました。横浜の某販売店で、新規4800円。これに、郵便局のお取り次ぎサービス(http://www.jp-network.japanpost.jp/otoritsugi/ これあまり知られていないと思いますが、新規の申し込みが5000円割引となるサービスですので、使えるときは使わない手はないかと思います)を使えば実質ゼロ円。mopera とデータ定額プラン二年間の縛り。現在のガラケーを通話とメール専用端末にして、パケホーダイを解約すれば、それほど費用増加にはならない見込み。今もTabでこの文章を作成していますが、この画面の大きさはでのソフトウェアキーボードは快適です。今年は私にとってアンドロイド元年です(笑)。

そして、購入してからは、明らかに家のノートパソコンを開く頻度が激減しました。Tab の威力がすごいと言いたいところなのですが、単に家でのPCの使い道がショボいということでもあり、情けないなと。そして、そのレベルのユーザがPCのメインの購入層だとしたら、PC業界は、厳冬だなと思ったりするわけであります。


さて、IFRSについてですが、米国ではコンドースメントなどというまた訳のわからない概念を持ち出して、アドプションに向けては漂流状態の色を濃くしています。日本ではその漂流状態を洞ヶ峠(これが一発で変換されないのが弱い)を決め込んでいる層が多数であろうなか、住商や板硝子の開示がなされ、IASBのサテライトオフィスの東京設置が現実化するという、IFRS寄りのスタンスも進行するという、手探り状態が相変わらず続くものと思われます。先の見えない展開ですが、ブログねたには困らない一年になりそうです。

とまあ、三連休最後の日の戯言です。新年も気づいたら10日目。ここで一区切りしないとまたずるずると行きそうなので、これをUPしたらいろいろ考え事をしようとおもっています。それでは(遅ればせながら)本年が皆さまにとって幸多い年でありますように!

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